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2024.05.06
2024年のゴールデンウィークはコロナ5類移行後、最初のゴールデンウィークとなりました。円安による旺盛なインバウンド消費と日本人海外旅行者の海外旅行での節約ぶりが何かと話題となりました。日本の外食・飲食事業者にとって、インバウンド消費は売上効果だけでなく、海外観光客の日本における良質・感動的な体験によって、日本の食文化、歴史への理解を深め、日本食を再認識するきっかけとなっています。観光庁調査による訪日観光客の目的をみると「日本食を楽しむ」の割合が上昇しており、日本食への関心が加速しています。日本での良質な食体験から、世界中で日本食のニーズが高まることが期待されています。
こうしたインバウンド消費と世界における日本食への評価の高まりが期待される反面、日本国内市場全体としては、決して楽観視できる状況ではありません。円安による輸入食材の高騰、特に小麦粉や肉類などの食材は国際市況に影響されやすく、また人手不足からの人件費の高騰などから価格は高騰しており、さらに日本は年々高齢化と未婚化、子供なし世帯が進み、2070年には8700万人と人口減は加速していきます。こうした厳しい国内市場を背景に、日本の外食産業は現地企業の買収などを通じて海外進出を再び加速する動きが相次いでいます。
複数店舗を展開する現地企業を買収することで、一気にローカルシェアを奪う大胆な戦略は、同時に複数店舗のガバナンス管理、そして何より集客のための店舗マーケティング、特に同一民族、少子高齢化、気候同一性の日本と異なり、海外ではそれぞれの地域特性を考慮したきめ細かいマーケティング施策が求められてきます。こうしたエリア特性に基づき、エリア住民の嗜好性や競合店舗を凌ぐための戦略施策=ローカルマーケティングが重要です。海外では言語や民族などの地域特性を考慮する必要があり、また情報取得の方法がマスメディア旧来の媒体広告から、個人のデバイスへと変化するなど、その難易度も高まっています。
では海外現地で複数の店舗展開を行う上でのローカルマーケティング施策として必要なことは何でしょうか?まずは、最低限必要なこと、それは店舗の店舗情報、NAPO(店名表記、住所表記、電話番号、営業時間)が正しくデジタル上で表記することです。店舗情報は、何を通じて生活者に伝えられているのでしょうか?言うまでもなく、生活者はすべての情報をデジタル上で得ることができます。店舗情報取得の主役はGoogle MapやApple Mapなどに代表される、常に情報にアクセスできるグローバルプラットフォームです。スマホから簡単にアクセスできる利便性はもちろんのこと、今いる位置情報や過去の行動履歴や閲覧履歴、店舗のクチコミ情報を元に、生活者が求める情報を高精度で提供します。
さらにグローバルプラットフォーマーはMapアプリケーションを「生活者と企業との重要なデジタル顧客接点」として、日々進化させています。Google Mapは生成AIによる対話機能をMapに取り入れることで、生活者の様々なニーズに応えます。単に「地域+飲食カテゴリー」などの検索形態から「家族四人でディナーに相応しいお店を教えて」といった自然言語でのリクエストを受けつけるのです。またAppleも昨年からGBP(Google Business Profile)と同等の機能を有したApple Business Connectをリリースしました。特にAppleはApple Business Connectの店舗情報をApple Walletにも活用すると発表しており、単なるMapとしてだけでなく、店舗の発見から来店行動、そして最終的にはスマホ決済までの、一連の飲食の顧客体験全てを網羅する戦略 です。Mapが単なる地図サービスから、リアル行動のすべての顧客接点を網羅しながら、マネタイズしていく壮大な戦略です。スマートフォンOSを提供するこれらグローバルプラットフォーマーの進化と歩調を合わせることで、海外での現地ローカルマーケティングを最先端のマーケティングに進化させましょう。
日本では飲食店のデジタル集客施策として、広く認知されているMEO(Map Engine Optimization)とは、グローバルMapプラットフォームを、より多くの生活者との認知機会を増やすために、店舗の情報を最適化することです。店舗情報の最適化とは「店舗情報を正しく登録したり、写真やメニューなどの情報を登録、修正する作業」です。時にはプラットフォーム(Google Mapなど)の仕様変更に適応することも求められます。これらはは非常に手間がかかる作業です。ましてや既に店舗数が多い、または積極的な海外出店を計画している場合、それら膨大な作業を正しく、効率よく行うことが重要です。そうした作業を効率よく、そしてマーケティング施策をサポートするのがMEOツールと呼ばれるものです。MEOツールを使うことで、複数店舗を効率よく、戦略的に運用することができます。もちろん、MEO、ローカルSEOの目的はこうしたMEOツールを導入することでははありません。MEOツールはあくまでも手段です。MEOで重要なことは、日々の施策や施策から得られる自社独自の知見蓄積です。それらの施策、知見は競合企業を凌駕していることが重要です。自社の店舗はどういったキーワードで検索されるのか、その検索キーワードをGoogle Mapに認識させること、SNSと連動させることで、検索クエリーを生み出すこと、などそうした成功知見を、多くの店舗に展開することです。
日本の店舗マーケティング施策でノウハウを持っていたとしても、(例えば日本のグルメメディア運用施策ノウハウ)それらはあくまで日本国内だけのノウハウでしかありません。そうした運用ノウハウや成功知見は海外進出店舗でも展開可能ですGoogle Mapなどのグローバルプラットフォーマーは国を超えて(中国など一部の国を除く)グローバル規模で展開、普及しています。(米国の普及率はこちら)
つまり同じアルゴリズム、同じテンプレートフォーマットです。日本や海外での知見を同じ手法で同じタイミングで展開することが可能なのです。そうした独自の施策や知見を展開する際に日本と海外において同時に同じツールで展開することが非常に重要です。例えば、国内店舗では国産のMEOツールを利用、海外店舗ではツールなし、あるいは現地のMEOツールによる運用では、施策の同時展開は非常に難易度が高くなります。また日本と海外のツールでは、管理画面上の指標、プライオリティ、表示有無や管理画面上の表記もバラバラです。それでは運用知見や施策のグローバル展開の推進の難易度も上がります。
Uberallは2013年ドイツで創業し、世界135万店舗、126ものグローバルプラットフォーマー、メディアに接続、多言語対応のローカルSEO/MEOツールを提供しています。Google MapやApple Mapを筆頭に、主要なメディアと接続しており、それらのメディアに飲食店のNAPO(店名・住所・電話・営業時間)などの基本情報が掲載されます。また複数言語対応によるダッシュボードにより世界各国で利用されています。Uberall内のQ&Aサイトは英語で展開され、各国現地の担当者へのツール理解をサポートします。
Uberallが世界店舗展開する際のメリットをあげてみましょう。
・UberallはGoogleの認定パートナー
・世界有力なプラットフォームへの掲載が可能(世界126メディア/米国64 日本25/24年4月末現在)
国別接続メディアはこちら
・Uberallダッシュボード(管理画面)は英語・日本語その他複数言語での表記
・世界外食ブランド企業の導入実績が豊富 KFC導入事例
グローバル企業の多くが、営業業務管理(Salesforce,Hubspotなど)やSNS運用(Sprinklr,Sprout Socialなど)コールセンター顧客対応(Genesys,Zendeskなど)などにおいてグローバルで共通のSAASサービスを利用しているように、グローバル店舗展開におけるMEOツールも世界で統一すべきです。グローバルで同一指標、同一KPIで成果を確認することで、世界レベルでの店舗マーケティング、MEOマーケティングが可能になります。
日本外食企業の海外進出がさらに加速していく中、海外現地をベースとしたローカルマーケティング施策が求められる中、世界規模で展開するMEOツールUberallを導入することによって、日本で得られたMEO知見を世界規模で展開し、複数国複数店舗のKPIを管理、また現地スタッフにとって言語対応されたダッシュボードにより使い勝手のよい環境を提供することによって、世界最先端のローカルマーケティングを実行することができます。
植松芳宏(株)Recovery 取締役COO