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2024.03.10
GBP(Google Business Profile グーグルビジネスプロフィール)はGoogle Mapに表示される店舗ページとして、多くの消費者、企業、店舗に認識されています。そしてMEOとはGoogle Business Profileに最適な情報を提供して、Google Map上で検索者への表示機会を増やすこと、その施策を指します。MEOの主たる目的を検索結果での表示機会を上げることと考えれば、MEOとはGoogle Map上で「お店を発見する」こと、カスタマージャーニーの「認知」に寄与するとお考えの方も多いことでしょう。「イタリアンレストラン」と検索して、近くの自分にあったお店を見つけることができる、まさに「認知」に大きな貢献をします。日本でも最近の調査では、大手グルメサイトを凌いで、飲食店を探す方法としてGoogleMapの利用率がナンバーワンになったという結果も多く見受けられます。ではGoogle Mapは本当に「認知」だけに寄与しているのでしょうか? フィリップコトラーが提唱する、スマホ時代のカスタマージャーニーである5Aの考え方に沿ってGoogle Mapの役割・機能を説明しましょう。
2016年に発刊されたフィリップコトラーの「マーケティング4.0」は当時多くのマーケーターに支持されたカスタマージャーニーの新しい指標です。スマホとSNSなどのプラットフォーマーの普及によって、ブランドと消費者の関わり合いが、過去のそれと大きく変貌し、24時間いつでもどこでも情報にアクセスできる状態になることで生まれた考え方です。マーケティングにおけるカスタマージャーニーと言えば、古くはAIDA、AIDMAから始まりAISASなどの考え方を経て、現在では5つのA、5Aに進化しました。Attention、Appeal、Ask、Act、Adovocateです。これらのジャーニーは常にスマートフォンにアクセスできる状態であること、SNSのように必要とされる情報がプラットフォームを通じて行き交うこと、が背景にあります。ここでは簡単にひとつひとつのAを、Google Map、GBPというプラットフォーム上でどのように機能しているか、という視点で説明しましょう。
Googleの登場によって「検索」行動はカスタマージャーニーにおける重要な行動形態となりました。さらに位置情報を得られるスマホ普及によって、検索行動はオンラインを飛び出し、リアル行動にも大きな影響をもたらすようになりました。「近くに美味しいレストランはないか?」「おすすめのカフェは?」など、こうした検索行動はAttention(認知)に大きな貢献をもたらします。
続いてAppeal(訴求)はブランド発信の情報などによって、「だんだんと好きになる」という状態を表します。古いマーケティング手法では、例えばテレビCMなどの「フリクエンシー」視聴回数を増やすことで、「だんだんと認知が深まり、好きになる」という状態です。スマホ時代では、SNSなどのショート動画コンテンツがその役割を果たしています。Google Business ProfileでもAppeal(訴求)、その店舗に興味を示し、好きになる、行きたいと思うAppealが可能です。GBPにおける写真投稿や情報を網羅することによって店舗の魅力、飲食店であればメニューの魅力、ブランドリテイルでは商品の魅力を発信することができます。これらのAppealはユーザーの投稿によっても機能します。
次にAsk(調査)です。Google Mapを通じて、店舗やサービスに興味を持った時、GBPにあるクチコミを通じてAsk(調査)を進めることができます。GBPのクチコミはGoogleガイドなど、高い専門性を持った人たちや一般のユーザーから投稿されています。それらのクチコミを参考にして、ユーザーはAsk(調査)を進めるのです。GBPに書き込まれたクチコミは、新規ユーザーにとって行動(Act)を決定する重要な要素であるため、常にクチコミはチェックすることが重要です。低評価のクチコミは行動(Act)を妨げる要因となるため、本質的な改善が必要な項目です。
最後に現代型マーケティング、スマホ時代のマーケティングのゴールである推奨(Adovocate)です。
行動(Act)に満足したユーザーは、その商品の魅力やその場での体験をSNSで投稿するように、認知をもたらしたGBPのクチコミを評価として、また具体的なコメントとして推奨(Adovocate)します。写真や動画も併せて投稿できることから、これらの推奨(Adovocate)は新たなAttention(認知)をもたらすのです。
GBP(Google Business Profile グーグルビジネスプロフィール)は誰もが参加できるWiki(全員参加型メディア)であり、SNSに近い機能と言えます。GBPは年々進化しており、このプラットフォームが退化することはありません。生成AIを搭載したGoogle Mapがアメリカですでにローンチしており、今後さらに飛躍的に進化発展していくことでしょう。飲食や小売店だけに限らず、Google MapにおけるGBPの活用は、もはや不可避と言えるマーケティング手法です。このGBP(Google Business Profile グーグルビジネスプロフィール)を完全な情報にすること、それによって現代型のカスタマージャーニー5Aをすべて網羅できるのです。
ビジネスが地球規模で拡大する今、こうしたローカルマーケティングも世界規模で、最大のパフォーマンスを発揮することが重要です。独Uberallは世界最大規模のMEOソリューションとして世界で最も多くのブランド、店舗で導入されています。一つの管理画面から、カスタマージャーニー全てを網羅するGBPを全ての店舗において、戦略的・効率的に運用することが今、世界中の企業から求めれれています。
植松芳宏(株)Recovery 取締役COO